PogoShell プラグインの紹介と解説

PogoShellはプラグイン方式により簡単に機能を拡張することができます。いくつかは最初から標準で付属していますが、それ以外にも多数入手可能です。ここでは各プラグインの機能と使用方法を解説していきます。なおプラグインを配置する場所は root ディレクトリ内にある .plugins ディレクトリです。別個に入手したプラグインは、そこにコピーしてください。
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エミュレータ

BMPプラグイン (bmp.bin)

BMP形式の画像を表示するためのプラグイン。標準で利用可能です。画面に収まりきらないようなサイズの画像も、方向ボタンによりスクロール表示させることができます。ファイルサイズはかなり大きくても問題ありません。8MByteくらいまでは正常動作を確認しています。

JPEGプラグイン (jpg.bin)

JPEG形式の画像を表示するためのプラグインですが、GBAの画面サイズと同じ240x160ピクセルの画像しか表示できないことに注意してください。Remageを使用すれば、手軽かつ効率的に寸法を調整可能です。

SEMI-POGO (doc.bin)

高機能な日本語テキスト表示プラグインです。セーブ機能やページジャンプ機能などを搭載しています。

[データの入手方法]
テキストの入手に困ることはないと思いますが、過去に出版された文学作品などを青空文庫からダウンロードすることができます。

Ogg Vorbisプラグイン

Ogg Vorbis形式のストリームデータを演奏するためのプラグインです。8000Hz/11025Hz/16000Hzのモノラルデータにのみ対応しています。同人ソフトサークル・帽子屋インサイドが、モバイルノベルコンバーター「小水月」の特典として提供しているもので、オンラインで入手することはできません。

MIDIプラグイン (midi**.bin)

MIDIファイル (.mid) を演奏するためのプラグインです。最大16音まで発声可能。プラグインを有効にするためには、メモ帳などで.shellフォルダにあるfiletypesを開き、以下の一行を追加する必要があります。

mid 3 /.plugins/midi091.bin Playing music, press START to quit

[データの入手方法]
Computer Music Centerなどで検索してください。

NSFプラグイン (nsf.bin)

NSF形式の音楽データを演奏するためのプラグイン。標準で利用可能です。ファミコンの音楽だけをエミュレートするものと考えれば分かりやすいでしょう。上下ボタンでテンポ変更、左右ボタンで選曲です。

[データの入手方法]
NSFファイルは通常ファミコンソフトから抽出するものですが、Windows用の
mckというミュージックエディタなどで、オリジナル曲を自作することも可能です。こちらなどでそれらの一部をダウンロード可能です。

MODプラグイン (modplay.bin)

MOD形式の音楽データを演奏するためのプラグイン。標準で利用可能です。MODはアミガで生まれた音楽フォーマットで、音色データを内蔵したMIDIファイルのようなものです。現在はさまざまな拡張フォーマットとともに、Windows PCやMacintoshなどにも普及しています (詳しくは
波平会をご覧ください)。このプラグインで演奏可能なのはアミガオリジナルのファイル (.mod) およびその圧縮ファイル (.mdz) です。圧縮ファイルはPogoshell v0.8-v1.2のtoolsディレクトリにあるdcmp.exeを用いて作成します。CodeWaves用に変換/圧縮したファイル (.cw/.cwz) も演奏できますが、.mod/.mdzが正常に再生できない場合以外使用する必要はないと思われます。

[データの入手方法]
欧米には無数のMOD愛好者がいます。彼らが作成した数万に及ぶMODファイルは、AminetThe Mod Archiveといったサイトでダウンロードすることができます。ちなみにアミガとGBAはサウンド面の仕様がやや似通っていることから、欧米では多くのゲーム会社が各種MODを土台にGBA用の音楽を作成しています。

krawall (krawall.bin)

Pogoshell v1.3からもう一種類、新しいMOD演奏プラグインが追加されています。これは
krawallをベースにしたもので、拡張MODフォーマットのひとつである.s3m形式のファイルを演奏します。ただし専用の.k3m形式に変換する必要があるのですが、肝心の変換方法は不明です。v1.3現在はテスト用くらいに考えたほうがいいでしょう。

PogoNES (nes.bin)

ファミコンエミュレータとして動作するプラグインです。標準で利用可能ですが、頻繁にバージョンアップするので、最新版に更新しておくことをお勧めします。実はPogoNESは、GBA用ファミコンエミュレータであるPocketNESと同じものです。PocketNES**.zipを解凍するとpocketnes.gbaが現れるので、これをnes.binにリネームし、既存のプラグインに上書きしてください。操作方法の詳細についてはこちら (Mast Python's) が大変参考になります。

[データの入手方法]
お手持ちのソフトから自力でデータを抽出するか、PDROMSからフリーソフトをダウンロードしてください。

PCEAdvance (pce.bin)

PC-Engineエミュレータとして動作するプラグインです。PCEAdvanceは本来単体で動作しますが、pceadvance.gbaをpce.binにリネームすることで、PogoShellプラグインとして動作させることができます。操作は上記PogoNESとほぼ同様ですので、そちらをご参照ください。なおv4.6現在ではサウンド未対応です。

[データの入手方法]
お手持ちのソフトから自力でデータを抽出するか、PDROMSからフリーソフトをダウンロードしてください。なお、TurboGrafx16用の市販ソフトは、暗号化されているのでそのままでは動作しないとのことです。

DrSMS (drsms.bin)

GBA用セガマークIII/マスターシステムエミュレータです。まだ試験的な段階ですが、ゲームギアへの対応も進んでいます。プラグインを有効にするためには、メモ帳などで.shellフォルダにあるfiletypesを開き、以下の二行を追加してください。

sms 1 /.plugins/drsms.bin
gg 1 /.plugins/drsms.bin


[データの入手方法]
お手持ちのソフトから自力でデータを抽出するか、PDROMSからフリーソフトをダウンロードしてください。

ZXAdvance (zxa.gba)

GBA用ZXスペクトラムエミュレータです。単体で動作しますが、PogoShellプラグインとして動作させることも可能です。ZXAdvance1.*.*.exeを起動し、何もROMファイルを指定しなければPogoShell用プラグインが生成されます。ただしインターフェイスのバグでPogoShellのディレクトリを認識できないことがあったり、テーマ画像を勝手に書き換えたりするので、現時点では少々扱いの難しいプラグインといえるでしょう。起動するごとに異常に長いイントロを見なければならないこともあり、残念ながらプラグインとして使用するメリットは、いまのところほとんどありません。(ver1.0.1現在)

[データの入手方法]
日本ではまったく知られていませんが、ZXスペクトラムは、エミュレータの著作権問題に関して世界でもっともクリーンなパソコンです。ZXの権利を保有しているアムストラッド社の理解と、長年にわたるボランティア活動の成果により、かつてリリースされた市販ソフトの大半が、現在World of Spectrumにおいて合法的に無償公開されています。このうちZXAdvanceで動作する300本以上のゲームが、ZX Mega Packとしてダウンロード可能です。ボタン操作を自動で割り当ててくれるINIファイルも忘れずダウンロードしましょう。

Frotz (frotz.bin)

Frotzは、Z-Machineとよばれるインタプリタのひとつで、zcodeというプログラム言語で書かれたゲームを動作させることができます。PogoShellの開発者であるSasq氏はこれをGBAに移植しました。PogoShell プラグイン版も存在し、v1.2までは標準で利用可能だったのですが、v1.3では削除されました。v1.3で正常に動作しなくなったことによる暫定措置と思われます。

Z-Machineは1979年に、最初期のホームコンピュータとして知られるApple II用およびTRS-80用としてデビューしました。ZORKシリーズ (Infocomがリリースしたテキストアドベンチャーゲームのヒット作) の開発言語といえばお分かりのかたもいらしゃるでしょう。ZORK I/II/IIIは文字を表示/入力するだけのシンプルなゲームでしたが、zcodeはその後さらに拡張され、カラー表示やグラフィカルフォントの使用が可能になりました。これによりテトリスやスペースインベーダなど、多少アクション性のあるゲームも登場するようになりました。Z-Machineは欧米のほとんどあらゆるコンピュータに移植されましたが、英語専用ということもあって国産機にはまったく移植されませんでした。したがって関連情報を日本語で入手するのは困難です。

PogoShell用Frotzを使用するためには、rootディレクトリにkeyb.datを置いておく必要があります。これは最新版のfrotz.binとともにPogoShell v1.2のアーカイブに収録されています。Z-Machineは本来キーボードで操作するものですが、GBA版の場合は実行中にセレクトボタンを押して、仮想キーボードを呼び出すことができます。ここでの操作は、L/Rキーで使用キーをシフト、方向およびA/Bボタンで押下です。またL+方向/A/B, R+方向/A/B, B+方向といった操作で、テキストアドベンチャーの必須単語を入力することもできます(詳細はドキュメント参照)。

アクション性のあるゲームをプレイする場合、仮想キーボードはお世辞にも操作しやすいとはいえないので、事前に.cfgファイルを作成し、ボタン操作の設定をしておいたほういいでしょう。[zcodeファイル名].cfgというファイルをメモ帳などで作成し、これに設定を記します。書式の詳細は前出のドキュメントを参照してください。(なおプラグイン版では [mode] 設定の多くが無効になっているようです)

[データの入手方法]
以下のリンクからダウンロードしてください。なおIF (Interactive Fiction) やZIP (Z-Machine Interpreter Program) はzcodeプログラムの通称です。 英語が苦手な向きには、このあたりをお勧めしておきます。
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