2002年に復活した旧世代PC

MSX公式エミュレーターで沸いた2002年ですが、海外に目を向けると、実はほかにも驚くほど多数の旧機種復活計画がありました。私が把握しているだけでも以下のようなものが告知あるいは発表されています。




AppleI clone
伝説中の伝説となっているAppleIのクローン機生産計画。ライセンスが供与されるかどうかは不明ですが、順調に行けば2003年春までに生産態勢に入れそうとのこと。実機の相場は現在$15000-$50000ですが、このクローンは$150-$200に設定される予定。

Imsai Series Two Advanced Microcomputer
AppleIクローンの話題中でも触れられているImsai 8080 (1975) のクローン機。$995と高価なだけあって外観の再現にもこだわっていますが、内部的にはATX仕様になっており、フロッピーやIDE機器の接続が可能。150台限定で注文は2002年12月31日現在まだ受付中。近日発送開始とのこと。

AmigaOne + AmigaOS 4.0
8年ぶりに新型アミガが登場。誕生にまつわる長いエピソードはRetroPC.NETの過去記事をどうぞ。

Pegasus + MorphOS
焦点の定まらなかったオフィシャルに業を煮やしたユーザー層から生まれた、もうひとつのPPCアミガ。公式製品ではなくAmigaOneと互換性はありませんが、68060まで含む強力な68kエミュレーションなど見所は豊富です。こちらも近日登場予定ですが、日本に登場するかどうかは分かりません。

CommodoreOne
AmigaOneと同じくクリスマスに発売のコモドール64上位互換機。手堅い高性能化で価格も249ユーロ (税込) まで抑えています。開発途中に試作機が盗難にあうなどなかなか難産でした。ちなみに開発者はアメリカ人女性。

Sprinter
何気に96年からバージョンアップを繰り返しているZXスペクトラム上位互換の8-bit機。ロシア製。こちらは$170とさらに手頃で、マザーボードのみのバージョン ($115) もあり。2003年に新型を発表する予定です。

Atari Coldfire Project
CPUにColdfireを採用したアタリST系クローン。今年になって商品化に道が拓けたということで、現在鋭意開発中。Coldfireによる高速化の試みはクラシックアミガ方面にもあるようです。X68000はColdfire-Xで頓挫したきりでしょうか。

xTOS
こちらも同じくColdfireによるアタリST次世代機プロジェクト。上記と関連があるのかどうか分かりませんが、TOSもあわせて改良し、スタンダードなSTの機能はエミュレーションにより再現するようです。

ARAnyM
ソフトウェアのみによるアタリST系クローン。エミュレーターニュースなどで紹介されるので、エミュレーターとして認識されている気がしますが...STの機能そのものを再現するわけはでなく、現行PCをそのOSであるTOSカーネルの動作環境とするもので、飽くまでクローンの一種です。TOSクローン機はいくつかありますが、現状ではこれが最速だそうです。Coldfire機は対抗馬足りうるか。

CIEL 3++
ブラジルから始動したMSX上位互換機開発計画。もちろん非公式。MSX2+までとの完全互換をうたっています。CPUはZ180またはZ182 (33MHz), 最大動作クロック28MHzを予定。

CPCNG
アムストラッドCPCの上位互換機。開発計画は長く中断していましたが、今年に入って再始動しました。ハードもソフトもオープンソース化し低価格化を狙います。

Amstrad e-m@iler plus
かつてCPCで名を馳せたアムストラッドは、現在もユニークな家電メーカーとして健在です。その新型…マルチメディア電話とでも呼べばいいでしょうか? そういうようなものが、ZXスペクトラムのエミュレーターを搭載して発売になりました。アムストラッドは現在ZXに関する権利を保有しているので、実はMSXに先駆けて登場した公式8-bit機エミュレーターということになります。



興味深いのは、ARAnyMとCIEL 3++以外すべてスポンサーが付いているか商業ベースの企画であるということです。ノスタルジーや8-bitブームに沸く世相ももちろんあるのでしょうが、それ以上に根強いユーザー層と地に足のついた需要が、海外の旧世代機種にはあるということですね。

もうひとつ。CPCNGのスタッフが新零式計画に近いスタンスで、また別の新型機を検討しています。詳細は翻訳してありますので、こちらをどうぞ。

文責:Hally




[HOME]